民泊新法施行直前のルール絶対主義な風潮に物申すお
6/15に施行される法律の関連で、民泊ホストの立場もより細分化されてきて色んな議論が起きています。
「法律というルールが出来た以上は従わないとダメだお。ルールを守らない人を訴えるお!」という人や、「ルールがそもそもやばいんだから徒党を組んでやり方を考えるお!」という人もいます。
ちなみに自分の立場を申し上げますと、
「合法物件以外は運営せず、出来るだけ人を配置できる施設に集中する」です。
では何故その様な考えをするに至ったかを書き記します。
「自分はルールを守っているのにルール破ってる奴はズルイから糾弾する思想」というのは学校教育という名の軍隊養成学校で知らず知らずの内にインストールされているマインドです。
僕もよくこのマインドに苦しめられたクチでした。
浪人中に、大学の替え玉受験をして合格する話を聞いた時に、「こっちはしんどい思いをして頑張っているのになんてズルイやつなんだ」と憤慨した事がありました。
しかし、就活中にGoogleやボスコンに内定した先輩が実は大学受験をカンニングで切り抜けてSFCに入学した話を聞いた頃には価値観が変容していて、「考え方が柔軟で実行力や勇気があってすごいなw」と考えられるようになっていました。
そして、新卒でいた楽天を辞め、起業した頃に、「オラクルのエンジニアの社員が実は中国にアウトソースして自分は全く仕事をせずに社内優秀賞を受賞していた事件」を見た頃には、「なんて優秀なディレクターなんだ!」と思うようになっていたのです。笑
「自分という存在を軸とした価値観の変化」というのは一種の「考え方のイノベーション」なのではないかと考えている節があります。
19世紀にキュルケゴールという哲学者が書いた「死に至る病」という本があります。
この本の中で敬虐なキリスト教徒のキュルケゴールは自分の実父のした神に背く行為に悩み続けた結果、乱れた生活を送りながら自分の存在を認められずに苦しみます。
そんな中で「自分の存在を肯定するために自己の捉え方を変える」というイノベーションを発動させて苦しみから解放され、それを記した書物は後世に多くの影響を与えています。
(自分の中では、イノベーションという言葉は「矛盾を解決する手段」という側面が強い言葉と認識している前提で)キュルケゴールは自分という存在が受け入れ難い、という自分の存在を否定してるけど容認したい矛盾を耐えられないが為に、哲学的な捉え方を変えるというイノベーションを起こし、自己矛盾を解決した。 と考えておりまして、このイノベーションという手段無しには現代社会が抱える矛盾だらけの問題を解決出来ない為、イノベーションを起こそうとしない主体性の無い考え方や環境に身を置かない事は余り人類の進歩に繋がらないという思考があります。
そこで冒頭に戻ります。
ルールを守って運営することは重要だと思いますが、「学校教育で培うルールを守ること最優先にして本質を見失う」ことはあっては本末転倒になります。
また、ルールを守らないと見えている人というのは、「人類の進歩の為に自明性を疑いイノベーションを起こそうという考え方」にのっとた行動の側面もあります。
キュルケゴールは著書「死に至る病」の中で意識の自由が死ぬ事を死と定義していました。
日本の教育=軍隊マインド養成学校 って、ルールに従うことが一番大事=精神的に死んでもらうことを優先すること から始まって軍隊マインドを植え付け、そのマインドを持ったまま一見自由ぽくて民主主義風な社会主義国家日本の中で自己を失い続けて、国にとって都合の悪いルールを守らない人を批判するモチベーションで自分を肯定して生きる人がたくさんいる中で、リスクをとって何か違う景色を見せようとしている人たちは純粋にカッコいいなあと思うんです。
後者のカテゴリの人というのは「日本最大の国家(暴力)権力である◯◯によって△△される」というリスクがありますので。笑
また、「旅館業を取得して合法的に運営している人」の中でも、たくさんのクソ運営をして迷惑をかけている人たちがいるのを知っていますし、
OTAのレビュー点数の低い施設やホストが実際に大量に存在します。笑
逆に△△されるリスクをとっている人たちのレビューが満点近かったり、本質的に求められていることも多々あるのです。
短期的にみるからそうだとか、
いま見れば10点でも火災のリスクで人が死んだら0点だから期間の観点がないとか色々な見方はある様な気がしますが、合法的であればオッケーというのは、本質ではなくて権力という強者に迎合してる側面も大きいので、そこばかりクローズアップして「正義」を振りかざす人が最近増えてきているので、ホスティングの重要な部分は法律遵守ではないという視点は失わないようにしたいという自戒を込めたエントリーです。
ウチは合法的な旅館業案件以外はやりませんけど笑
株式会社dotの御子柴でした。