シニアのためのシェアリングエコノミー

国家というプラットホームに依存しない「個人外交」をより広げたairbnbを応援するブログです。

増加するサブスクリプションというモデル〜ホテルのサブスクリプションはどうなるのか

 

ホテルのサブスクリプションモデル(定期購読モデル)がどんどんと増加しています。

 

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www.makuake.com

 

(理念に共感したので自分もクラウドファンディングで支援させて頂きました。)


こういったホテルのマーケットにおけるサブスクの良さって沢山あると思います。
簡単に思いつくだけでも、

 

・ホテル側メリット
①会員のクオリティコントロール
②事前在庫の確保
③OTA手数料をスキップして在庫を埋めれる

④顧客との距離の近さからサービスのフィードバック・改善がしやすい

ノーショー未回収の心配がない

 

 

・ゲスト側メリット
①敷金礼金要らずの初期費用減(住処としてのホテルの場合)
②ホテルを毎回探す手間、着いてからも利用の仕方のコスト減

 

などがあります。

これらホテル側メリットの①と②も素晴らしいんですが、先に部屋の在庫を会員で埋めることにより、徐々に③のOTA依存を脱せられるところが良いですよね。

 

OTA脱却に関しては、EC業界の事例が参考になると思っています。

 

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【EC業界で先に起きたプラットホーム脱却】

EC業界でも、プラットホーム脱却という意味で同様の動きがありました。

1つのプラットホームに依存していると、手数料の一方的な引き上げや、顧客情報の資産がプラットホーム側にしか貯まらないなど、出店者側の自由が制限されていた為、直近の集客力よりも、長い目で見ての経営や自社ブランド構築を考えた企業が徐々に脱却を始めます。

代表的な成功例としてよく話に出るのが、「北欧暮らしの道具店」のクラシコムなどです。

最近ですと、メガネ通販のオンデーズも有名です。

 

北欧、暮らしの道具店は、2011年の段階でプラットホームを脱却し、自社ドメインのサイトを構築して自社サイト化をいち早く成功させてことで有名です。


自社ドメインのブランド作りに力を入れて、採用活動すら自社ドメインのファンから行う(つまり採用系プラットホームwantedlyなども使わない)徹底ぷりや、EC事業者なのにメディアとしてのマネタイズも行う大手とのブランドタイアップなど、先鋭的な事をされるEC企業として有名でした。


このような企業に続き、脱プラットホーム、自社ドメイン化の動きは2013-4年頃からマスにも加速して多くの企業が軸足を自社サイトに移して行きましたが、ECの集客元という意味では、自社ドメインGoogle経由のアクセスが割合の高い参照元となる為、「脱却」とはいえど、Googleのプラットホームからは脱せられない業界です。

 

【結局はGAFAの手のひらの上】

 

ECではないアプリ業界(例えば、クラシルなどのような動画サービス)でも、facebookやインスタアプリ上のフォロワー数ではなく、ネイティブアプリのDL数もといアクティブユーザー数をKPIにという動きがありましたが、
アプリ内の課金は結局のところ、IOSやアンドロイド(つまり、Applegoogle)に対する15-30%のフィー支払いからは脱せられない訳です。


やはり今の時代はGAFA(Google Amazon Facebook Apple)がネット上でのインフラとなる為、完全なる脱却は不可能になります。

もちろん全てのネットインフラを自前でやるなんて、極論、電気も自家発電的な話になりますので無理ですが、インバウンド業界は得てしてbooking.comへの依存が大きいです。


そして、booking.comもGoogleへのSEMコストを年間で5-6000億円近く払うほどに依存してますので、結局はbooking.comなどもGoogle依存と言い換えられます。つまり、ホテル業界は結局のところ相当なGoogle依存です。

 

しかし、そこに別アプローチで切り込んでアプリ(つまりApppleとGoogleの手のひらの上)でシェアを取ったのがairbnbです。

 

言い換えると、ようやくGoogle1社依存ではなくairbnbもといAppleも出てきた、という訳です。

1社だけのプラットホーム依存はリスクが高いので、GAFA&OTAに分散して依存できるのが今の時代良さそうな気がします。

 

そのためには,、SNS系のプラットホーム(つまりfacebookのインスタなど)からも集客ができるように、Google系以外の集客ルートの可能性も秘めた、ホテルのコンテンツが重要になっていくと思われます。

(ホテルにコンテンツが無いと、SNSなどを定期投稿する理由がない為)

 

また、GAFA&OTAにも依存しない、NetflixIOSアプリ内課金からの脱却のように、自社のブラウザ上で始めたサブスクリプションの課金モデルが重要になってくると思います。

Netflixほどの知名度があればAppStoreに掲載する必要も無さそうですもんね。

 

そういう意味でいくと、サブスクリプションという課金モデルは、GAFAからの脱却の可能性も秘めるという広義的な意味も含んできています。

規模が大きくなれば、これが一番大きい意味になるのかもしれませんね。
 

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【そもそものサブスクリプション向きのサービスとは】

 

ところで、サブスクリプションというと色んなサービスがありますが、サブスクにすることで上手くいってそうな著名サービスですと、
Spotify、ネットフィリックス、Amazonプライム


元々上手くいっているサービスですと、
スカパーTVや、ある意味、電車の定期券なども該当するかと思います。

他にも服のレンタルのサービスや車乗り放題等のサービスもあります。

(上手くいってるかはわかりません・・・・)

 

ユーザーが継続しやすいサブスクのサービスというのは、ハード系というよりもソフト系のイメージがあります。

 

①ユーザーの使用頻度が限りなく多く、利用スパンが短い
②デジタルなものが多く、在庫が無限に近く多様なモノを売っている

という特徴が継続率の高いサブスクにはあると思います。

 

そう考えた時に、ホテルのマーケットでサブスクをやるというのはやはりチャレンジングで難易度が高い前提があります。

 

ホテルのマーケットで①という意味でいくと、観光ではなく、「ビジネスや住処」としてのニーズが強くなりそうです。

 

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アパホテルの優位性はサブスク向きかも】

サブスクリプションの文脈においても、ますますアパホテルは恐ろしい企業だと感じます。

自社アプリ経由集客で囲い込みにきていますし、ホテルとしての機能的ベネフィットは完璧です。

アパホテルが法人向けのサブスクを始めて、Concurのような経費計算サービスとかと同期したら、サブスク元の企業の経理や総務の人件費減らせそうですよね。そしてOTA経由の絶対数が減ってOTA手数料の割合がもっと減って、アパホテルのレベニューの人の負担も減って、、、とか色々メリットがありそうなのですが、、法人向けだと住処にはならないので厳しいんですかね。

アパと競合になったら即死なので、新興サブスクサービスは、やはりコワーキング的な要素やコミュニティ的な要素など、ミレニアル世代以下に受ける要素を優位性に攻めていくのでしょうか。

 

そうなると思いつく競合として、WeworkのWeliveなどがどう日本マーケットでやっていくか、ですかね。


目が離せないマーケットです。


個人的には理念に共感しますし、サービスとしても使いたい側なので、どんどん広がって、住宅業界のシェアを奪いながら、人の定住の概念を覆していって欲しいなあと思います。

 

株式会社dotの御子柴でした。

 

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