シニアのためのシェアリングエコノミー

国家というプラットホームに依存しない「個人外交」をより広げたairbnbを応援するブログです。

~O2Oビジネスの競合優位性~ ゲストハウス運営側のオフラインが故のアドバンテージは「○○」です

僕は2010-2014の4年間で、楽天市場というプラットホームを運営する会社で、そのプラットホームを俯瞰して把握のできる情報を資産として利用して、プラットホーム内に出店している店舗の売上を伸ばす手伝いをするという仕事をしていました。

 

プラットホーム運営側は「ルールを作った人」なので、このプラットホームの利用者数が業界の過半数となればそのルールが業界全体のルールとなり、出店者側はそのルールを遂行することだけを考えるようになります。こうなることはルールメイカーとしての運営側の勝利なわけです。

 

僕自身が入社した2010年ごろの段階で、楽天市場というプラットホームは日本のEC業界の過半数近くになっていた訳ですので、既に業界の当然と決まったルールを「わかりやすく伝えて早く実行してもらうこと」が仕事でした。(例 楽天SEO、商品ジャンル毎の成功事例の横展開など)

 

ひたすらルールを伝えて出店者に動いて貰えば貰うほど、胴元であるプラットホームは潤う仕組みなのですが、同じルールで競っている以上、ルールがシンプルであればあるほど、資本の大きい出店者には勝つことが出来ません。ここでライバルとの差が大きすぎると、その土俵で競争する気にはならなくなってきます。(別の土俵、例えばヤフー出店や自社サイト運営に注力する等を始めてしまいます)

 

しかし、よくこのルールを分解してみていくと、プラットホーム内に、新規参入者でも勝てるような新しいルールや法則性があることに気づきます。

 

大きく分けて2つの属性があります。

1つはシステムの隙間で誤作動、もしくはシステムの不具合の起きているところにスポットで儲けを出す方法。

もう一つは大きなマクロな動きの中で、この数字とこの数字に相関性があり、、このルールを実行すると実はこの数字も伸びる。というような、元々の相関性を、プラットホームを俯瞰したことにより法則性に気づく事のできる「アルゴリズム」の理解です。

 

前者をノウハウとして切売りすることも出来ますが大した儲けにはなりません。

重要なのは後者側の法則性に気づく事。

しかし、後者のアルゴリズムに気づく為には、プラットホームを俯瞰して見る「立場」にいないと出来ません。

 

このプラットホームを俯瞰してみる立場にいて、新たなるルールに気づくこと。

これがプラットホーム運営者側にしか出来ないアドバンテージになります。

 

僕は楽天在籍時に徹底して「マジョリティに未だ気付かれていない」新しいルールを見つけ、このルールを理解して、かつ、実行してもらう。ということを続けていました。(営業成績に反映されていたのはここが大きいと思っています。)

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では、プラットホーム内にいる者しか分からないアドバンテージとは何でしょうか?

 

これは、「一次情報の経験量」という言葉に集約されると思います。

 

ECであれば、店舗を運営した際に発生する、過剰在庫をいくらでどこでどう吐くか、顧客からの商品発送遅延クレームにどう対応するか、キャンセル率の高さや、配送事故が発生しやすい商品は何か、などなどの生々しい温度感を伴った実経験であったりします。

 

問題は、一次情報しか得ていない人(プラットホーム内の人)は、その料理の仕方が分からず、

二次情報しか得てない人(プラットホーム運営側の人)は、その料理の方法しか知らずに原材料の一次情報の調達が出来ない点にあります。

 

重要なのは、プラットホーム内にいながら、料理の仕方を知ってるかどうかです。

たまに俯瞰せずに理解している天才な方々もいましたが...

 

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これがインバウンド業界になると、

booking.comやairbnbのようなプラットホーム側に参加したハコを持つホストたちが、一次情報で得られる経験とは、不在型か有人型かでザックリ分かれます。もっというと、有人型でもゲストを「客として扱うか友として扱うか」で分かれますので、ゲストとの距離感の近さで2つに分かれると思って頂ければと思います。

 

一次情報の質という点では、有人型のホステルとホームステイ型が最も深く、不在型の大型施設運営者が一番浅くなります。

不在型で得られるデータは、365日の個々の日程でどのくらいの金額で入るか、というレベニューマネジメントの元となるデータの一部と、ゲストのテキストベースの思わぬニーズなどの表層化した部分のみとなります。

 

つまり、本来プラットホームの出店者が得られるはずのメリットである「一次情報の経験」というのは、有人型のホステルが一番深いところまで分かり、交流目的のホスト以外はほぼオンライン上だけでの「一方的なニーズ汲み取り」で終わるケースが多いのです。

実際に会って交流すると、思わぬニーズや、予想外のデータが取れます。

 

その中でも面白いニーズとして、「採用」があります。

 

採用マーケットの大きさは、転職者を仲介すればその転職者の年収の1/3をゲットする転職エージェントを見ても明らかです。

 

この、「採用」などの大きくお金が動くことに関しては、コミュニケーションの「深さ」が重要になります。

ある一定以上の信頼感がないと決済行動をとれないので・・・

 

言い換えますと、ゲストハウスはお客さんを採用出来る求人のオフラインメディアとも言えます。

 

ちなみに、この4ヶ月で9人採用しました。1人あたりの採用コストを考えると採用コスト9人分儲けた感じで中々良いような気がします。

(就労ビザはややこしくもちろん違法な採用は出来ませんので、日本人が多いです。)

 

 

激安宿でハローワーク斡旋するような、まずは住処から、というホテルを求人の入り口にしたビジネスモデルが生まれるかもしれません笑

 
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株式会社dotの御子柴でした。
 
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