シニアのためのシェアリングエコノミー

国家というプラットホームに依存しない「個人外交」をより広げたairbnbを応援するブログです。

ピンチはチャンス。個人ホストが徒党を組めば、民泊で培われたスキルは進化して業として成り立つ

 

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常駐のホステル系の運営を半年前ほどから行っています。

民泊は不在型も滞在型も、単価も一泊50000円〜1500円まで、エリアも北海道から沖縄まで、累計350室の運営を経験(労働集約的に現場にいます笑)してきて、比較して、諸々分かってきたことがあります。

 

有人型のホステルの場合、
①人件費を絞り運営を継続する仕組みがあれば必ず上手くいくわけですが、

①を違法に絞るか、①をやりすぎてサービスの質が悪くなるか、①がスポットすぎて無理すぎて続かないかで失敗してしまう例が多いと思います。

 

この際に重要なのがゲスト側との労働集約的な接点をどこまでマニュアル対応するのか、どの程度コミュニケーション対応するのかを明確に分けられる「集客のターゲティングと接客の仕組み」があるかどうかで、これがあれば、それに合わせて①を適切に調整することが出来ます。

 

これはフロント周辺の椅子をどんな素材でどう設置するのか等の建築内装的なハードの仕組みの部分と、接客システム(チャネルマネージャーやPMSではない、接客のオペレーションのことを指します)などのソフトの部分をどこまでコントロール出来るかが肝だと思うのですが、民泊経験者でゲストのインサイトを汲み取った運営をできているのであれば、この接客システムの部分というのは既に会得しているわけです。(ゲストによってハードもソフトも集客方法も合わせられるセンスを会得している)

このような接客システムを会得したホストがホステル運営をすると普通に上手くいきます。

 

ただし、有人滞在型ホステルの管理運営を行うのをホスト単体だとさすがに厳しいので、少なくとも2-3人ホスト経験者が集まり組織化する必要がある規模かと思います。これはワガママなスモールビジネスではない、少人数組織化が個人ホストには求められているということだと思います。

 

楽天市場のプラットホーム上にも家族経営の個人商店や個人事業主が出店者として多かった2000年代から、2010年中盤にかけて企業の出店が増加し、売上シェアも占めていったような、C2Cでデータを集めて、B2Cでマネタイズを加速させるプラットホームの拡大戦略は世の常な気がしますが、理念はC2C風味のairbnbのプラットホームでも、法規制の限界から同様のことが起きているわけです。

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ゆえにホストも個人のCではなく、ビジネスのBのような組織、団体に昇華していく必然性があるわけですが、

もともと個人事業主というのは組織が好きではなく個人事業主になるような、組織に向いていない性格の人も多いのが実態です。

 

その為もあり、1人で出来る範囲を明らかに越えた事業(今回の場合は24時間常駐のホステル)の場合、個人事業主が2-3人で組むことの競合優位性は圧倒的に高まります。


業務量的に考えても、


①フロント対応(現地決済対応、部屋割り対応、延泊対応、現地での対面コミュニケーション、現金管理)
②(遠隔でも可能な)イールドマネジメント、OTA経由のコミュニケーション、電話対応、各外注先との事務処理
③ベットメイキング、水回り清掃、特別清掃(エアコンなど)
④緊急対応(ダブルブッキング、インフラトラブル、南京虫トラブルなど)


これらの4点を高クオリティで1人で24時間回すことはかなり難しく、

これが、不在型の施設と異なる1人で出来ない壁です。

(フロントをやりながら清掃をやることをあげられる方も多いですが、そもそもフロントに人を置く以上、最低でも20人キャパの施設を運営しない限りは24時間常駐体制で利益は出ないため、20人キャパで上記①②③④を満たすことは非常に難しいと考えられます。)

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これからはその部分(①②③④を協働)で力を合わせられるホストさん達は合法で充分生きていけますし、ゲストとの接客の接点も増えてくるので業として楽しいと思います。

 

また、このゲストとの対面での接点が、各ホストの競合優位性になる分、個人ホストのおもてなしのようなそれぞれの差別化個性が働く為、そんなホステルが増えていけば日本への訪日客の満足度と上がっていくのではないかなあと考えています。

 

今後、①物件の仕入れ②旅館業許認可獲得③高クオリティの運営

でまずは宿泊業として確実に業として成り立ち、その後、宿泊業以外の(ガイド、飲食など)に進められる、

優秀な「ホスト連合」が企業化して活躍を増やして行くことを願います。

 

このままいくと一番マーケットシェアの大きい宿泊業が企業のものだけになってしまうことは明白なので、個人の集合体として過去のスキルを活かしていける、「ホスト連合結成」は、今のタイミングとしてチャンスだと思います。

 

株式会社dotの御子柴でした。