シニアのためのシェアリングエコノミー

国家というプラットホームに依存しない「個人外交」をより広げたairbnbを応援するブログです。

民泊ホストの複数プラットホーム集客に警鐘を鳴らしてみる

 

こんにちは、1年ぶりの更新になります。

 

民泊ホスト歴2年2ヶ月、ゲスト歴2年6ヶ月。
特にこの2年は、15カ国30都市でairbnbをゲスト利用している御子柴です。

 

 

みなさんは民泊のOTAを何個利用されていますか?

Homeaway Flipkey Agoda AsiaYo 大陸中華系OTAたち などなど・・・・。

 

airbnb以外のOTAを利用している方もいらっしゃいますが、管理コスト的な理由からあえてairbnbだけを利用されている方も多くいらっしゃいます。

 

個人的には、複数のOTAを利用して、airbnbの体制の素晴らしさを感じています。

 

・人数詐称・ものが壊された等のホスト側の補填を、客観的に判断して対応してくれる点。


・保健所撤退の際のキャンセルも、無償で対応してくれる点。


メッセンジャーに定型文メモ機能がある、というかそもそもメッセンジャーがあるおかげでゲスト側の質が保たれている点。


・キャンセルポリシーの「厳格」設定でも普通に予約が入る点。


・銀行振込手数料が0円な点。


・同一OTA内でダブルブッキングが発生し、ゲスト側に部屋を用意しなくてはならないなんてことは起こらない点。

 

・キャンセルされても、決済直後にairbnb側がゲストの決済を「握る」ので、とりっぱぐれがない点

 

これらはairbnbだけを利用しているとなかなか「当たり前」すぎてわからない点ですが、複数OTA展開(+ オフラインの代理店も含む)をしていると嫌でも直面する点です。


また、複数OTAでの顧客のデモグラを把握していないため、airbnb以外のOTAでの「リピーター」に直面したことがありません。

 

自分はairbnbの運用は2年ほどですが、多いと10回ほど利用してくれているリピーターさん(日本人)がいらっしゃいます。


日本人以外だと、リピーターは3回目くらいが一番多いです。


それでもまだまだです。


先日の恵比寿の勉強会で講演された、 おなじみのスーパーホストのDさん のおもてなし用のアカウントは、 1/3 がリピーターだというのです。

 

あの勉強会ではさらっとお話をされていましたが、数万あるリスティングの中から、1つの部屋にリピートする価値がどれほど高いか皆様おわかりでしょうか。。?

 

DMを送ったり、メルマガで連絡をしたりと、「宿」にリピートしてもらうコスト というのは想像以上にコストなわけです。


これらが、競合が数万いる中でも安定してリピート継続している というのは、元EC分野の人間からすると、とてつもない価値だと感じられます。

 

airbnb内のSEOをどうにか・・・と、明確なロジックがない中で努力するよりも、長期的な利益を考えたら「リピートしてもらうこと」は効率の良い方法なのではないかと思います。

 

それを可能にするのが、ホストが媒体となり、「相互の距離感を極限まで近づけるairbnbの本当の価値」だと自分は考えています。
 

 

ここで話は変わりますが、中国の北京駅前?のラーメン屋 という話を、中国人の方から聞いたことがあります。

 

北京駅の目の前のラーメン屋は、他にラーメン屋がないために誰もが入るラーメン屋があるそうでして、
わざとめちゃくちゃまずいラーメンを提供するそうです。

 

そうすると、一口目で、「まず!こんなもの食えるか!」と、完食せずにお客さんは帰っていくそうです。

 

これにより、1人あたりの回転率が劇的に早まるために、売り上げが伸びるそうです 笑

 

この方法で、新規顧客がこなくなったら、このラーメン屋がまずいと知らない別の省にいけばいいとおっしゃいました。笑

 

つまり、膨大な人口を抱える中国マーケットは、新規顧客のみで利益が出るモデルだということです。

 

 

 

このモデルと同じことを、複数OTAで集客している「だけ」のホストは行っているということになります。

 

日本はビジネスを行う上で、限られた人口と需要から、「内需」にばかり頭が行きがちなため、
商売といえばリピーターを獲得するLTV(Life Time Value)を獲得していく戦術を当たり前に重視しているので、「まずいラーメン屋戦略」が商売とは中々思えないと思います。

 

しかし、ことインバウンドビジネスになると、毎年増え続ける海外からの新規顧客から売り上げをどう最大化するか? に頭がいっている方が多い気がします。

 

普段重視しているリピーターという概念がないのです。(海外から日本へのリピートは頻度が少ないという頭で考えています。)

 

複数OTA戦略 と その効率化 にしか頭がいかない状況というのは、それを暗に指し示しているような気がするのです。

 

なぜなら、プラットホームによっては、「ホストーゲスト間のコミュニケーションコストを最大まで削減したこと」をウリにしているOTAもあるからです。

 

「コミュニケーションコストを最大まで削減したこと」が価値というのは、いわば民泊Amazon、早い、安い、うまい の 機能的ベネフィットの価値を提供するわけです。

(ご存知の通り、機能的ベネフィットを強みにした事業者は、あるタイミングで大手に一瞬で踏み潰されます。ECの分野における、まさにAmazonです。)

 

もちろん、複数OTA戦略を否定しているわけではありません。

 

現時点での新規顧客獲得の手段として良いと思いますし、自分も1.5年ほどは複数OTAで集客をしてはいます。

 

しかし、新規顧客にばかり目が行き、「リプレイスされる価値しか提供できない」というホストにはなってはいけないということです。

 

インバウンドマーケットが成熟してきた時に、LTV を重視して、 リプレイスされない「ホスト」に基づいた価値を作ってきた人が、
「長期的に成功する」のがこれからのインバウンドマーケットだと思います。


(民泊条例の営業日数制限がなくなれば、力のある不動産業界や各種大手が本格参入してくるはず)

 

もっともっとリピーターの売り上げ割合を増やして「ホストの価値を伝えていくこと」

 

それに適したOTAはやっぱりairbnbですね。